スリムな“POD”

昨日は昼間自転車でダイエーの鶴ヶ島店へ行った。前回来たのがいつだったか忘れたけれど、店内の様子がだいぶ変わっていたので驚いた。なんとなく華やかだった雰囲気がどことなく薄れ、大雑把な雰囲気になっていた。何よりも驚いたのは、3階の書籍コーナーや文具コーナーがあった辺りにブックオフが入っていたことだった。ダイエーに古本屋が入るなら、空港内の商店街に古本屋が入ったっておかしくないと思った。

ブックオフでは、“The Pocket Oxford Dictionary”の第8版で、とても薄い革装版が売られていた。2,350円もするけれど、定価は4,500円もする。これはチャンスかもしれないと思って、意を決して買った。実は同じ版の辞書を持っているのだけれど、紙が厚いのか、厚さが5.7センチもあり、携帯に不便だった。しかし、引きやすく読みやすかったので、家では使っていたのだった。それがここに売られている革装版は、厚さが2.8ミリしかなく、とてもスリムだ。革装なので手にしっくりなじむし、ページのめくり具合もいい。

それを買って帰り、“The Alchemist”を読みながら使ってみると、“Random House English Dictionary”よりも読みやすかった。日本の家では、机の上に置いてあったその辞書を使っていたのだけれど、語釈のうち特に難しい単語に限ってか、堂々巡りをしていることが多くて、使いにくさを感じていたのだった。

同じ単語を“POD”で試してみたら、うまい具合に堂々巡りの連鎖が続かないようになっていた。それに、もともと持っていた“POD”と違って、机の上で開いたまま使える。韓国で買って使っていた分厚い“POD”は、手を離すと閉じてしまうので、文字通り“辞書を片手に”読まなければならなかった。手を離してもページが閉じないというのは、辞書を選ぶときの条件になるくらい重要なことだ。

他にも、開拓社の『オックスフォード現代英英辞典』があった。これは高校生の頃買って使っていたけれど、実は半分くらいしか理解できなかった。それでも頑固に使っていたけれど、それが英語学習の足を引っ張ったことは確かだ。しかし、今その辞書を手に取ってページをめくると、初めてその辞書に出会ったときの喜びが甦ってくる。驚いたことに、音声記号に長音符号が付いていない。母音を長短よりも音価として捉えるというかなり斬新な方法を取っていたのだった。実際英語の長母音と短母音は長さで区別できないことが多いから、これは正しい方法なのだけれど、長母音の方が短母音より長くなりやすいから、そこまでラディカルに長音符号を省いてしまうのは思い切りすぎているように思える。実際、その後の版ではこの辞書は長音符号をまた入れるようになった。で、自分が使っていたものもこれと同じだったろうか。今は段ボール箱に詰め込まれて物置の奥にあるので取り出すこともできずにいるから確認もできない。

洋服ダンスばかりある部屋から旺文社の『英語基本単語集』(赤尾好夫著)が出てきた。通称“豆単”と呼ばれているけれど、“豆辞書”といった体裁の本だ。昔はこれで単語を覚えようとするのが普通だった。自分にも、こんなものを読んで語彙が増やせると無邪気に信じていた時代があったのだ。もちろん、無邪気だったのは私だけでなく、多くの受験生がそうだったし、著者の故赤尾好夫氏こそ、最も無邪気だったといえるかもしれない。しかし、重要度別に配列してベストセラーになった、通称“でる単”と呼ばれている『試験に出る英単語』(森一郎著、青春出版社)も、内容は同じようなものだ。『豆単』は廃れたけれど、『でる単』は今も健在だ。受験には受からなくても、せめて英文が読めるくらいにはなりたいものだと思うのだけれど、こういうタイプの単語集が今も多くの人の英語学習を妨げているように思えてならない。まあ、受験生が知るべき単語をチェックするという点では役に立つのかもしれない。そういうことが必要なときもあるだろう。でも、こういう教材で語彙力を増強できると期待するのは、宝くじが当たるだろうと期待するようなものだ。

今日は、帰りの飛行機の中で“The Alchemist”を読み終わった。もともと英文を読むのが遅い上に、読んだり読まなかったりを繰り返したので、ずいぶん時間がかかってしまった。実はこれが自分が英文の内容を理解しながら通読した最初の本だった。もちろん教材として作られた読み物などは通読したことがあるけれど、教材でない本は初めてだ。そういう意味で、自分にとって記念すべき瞬間だった。で、これを読む時も、“POD”を片手に読んだ。狭い座席で辞書を左手に読むのは楽ではなかった。半分は発音を確かめながらだったけれど、時々発音の表記がない項目もあるのがちょっと困った。しかし、どうやらこれが自分にとって一番合う辞書になりかけているようだ。
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by ijustat | 2005-07-24 01:23 | English


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