인천 배다리골목

2010年2月27日、土。新入生歓迎合宿で영종도の西端にある골든 스카이 리조트へ行った。その帰り道、서울へまっすぐ帰らずに、인천대교を渡って인천の배다리골목を探しに行った。そこには古本屋が集まっている。

c0019613_1633975.jpg배다리골목という場所に古本屋が集まっているという話は、今から5年以上も前に、『전작주의자의 꿈』(조희봉著、함께읽는책、2003)という本で読んだことがある。そのときは、著者の조희봉氏が「어차피 무엇 때문이든 조만간 한번은 갔다와야 할 곳이라는 핑계를 대면서 혼자 훌쩍 가방을 둘러메고는 인천 배다리 헌책방가로 향했다」(232쪽)と言っているように、行くのに多少決心の要る、ちょっと遠い町といった印象が強かった。

最近になって최종규氏の文章を読むと、배다리골목が頻りに出てくる。そして、아벨서점の魅力が力説されているので、機会があれば行ってみたいという思いが湧いてきた。そのうえ、『책 홀림 길에서』(최종규著、텍스트、2009。111쪽)には、최종규氏が배달골목に図書館を開いたという内容が書かれている 。

数日前にグーグルで地名から場所を探してみると、경인고속도로終点と월미도を結ぶ通りから、それほど離れていないところにあることが分かった。番地が見つけられなかったので正確な地点までは分からなかったけれど、印を付けた辺りから半径300メートル以内には入るだろう。どうしても分からなければ、人に聞けばいい。そんな風に当たりをつけて行き、その地域を20分ぐらい探し回ったすえ、ついに道の両側に本屋が数軒集まっている場所に出た。

その通りの様子は、조희봉氏が「작은 차도를 사이에 두고 늘어선 헌책방들은 청계천과는 사뭇 다른 느낌을 줬다」(233쪽)と描写しているように、청계천の평화시장とは印象が異なる。2002年6月6日に조희봉氏が訪れたときと、今日(2010年2月27日)私が訪れたときとは、同じではないだろうけれど、狭い車道を挟んで古本屋が佇む小ぢんまりとした風情は、どことなく哀愁を漂わせながらも、ひっそりとして平和だ。

삼성서림と아벨전시관の間に車を止め、まず삼성서림(032-762-1424)に入った。わりと広い店内に、本が床から天井までぎっしりと詰まっている。私が本を眺めていると、主人が出てきて、何か探している本はおありですかという。そこで、いつも探している3冊の目録を見せた。ないという。それで、인천に古本屋が集まっている場所があることを読んで来たのだというと、以前は古本屋も多かったけれど最近は減ってしまい、いま残っている古本屋は5軒、북카페まで入れても7軒にしかならないという。私は古本屋が増えたという話を聞きたいのだけれど、耳に入るのは、たいていはこのように不景気な話ばかりだ。店内の本をぐるりと見回ったあと、삼성서림を出た。

そのあと、隣の建物に入った。入り口に「아벨」という文字が見えた。主人らしき上品な中年の女性に、ここがかの有名な아벨서점ですかと尋ねると、そうですという。彼女は、入ってくる客に、小さな冊子のようなものを手渡し、客たちは階段から2階へあがっている。시낭송회が始まったところだという。오성근という詩人の作品を朗読しているのだそうだ。どうしようかと思ったけれど、ぜひ聞いてみてくださいと勧められたので、私もその小冊子をもらって2階へあがった。

c0019613_16335713.jpgすでに朗読会は始まっていて、司会者が進行し、詩人が出席者と向き合う形で、小さな机を前に座っていた。そして、出席者たちが1編ずつ詩を朗読していた。小冊子に刷られている詩を出席者が自分から前に進み出て読むのは、なかなかいい感じがした。

しかし、何人かが朗読したあとに、詩人の友人だという出席者が前に出て、詩は朗読せず、詩人と自分との交友関係を話し始めたのは、あまり面白くなかった。自分も作家だと言っていたけれど、本当に作家なのか知らん。いつまでも内輪話をやめようとしないので、途中で数人のグループが階段を上ってきたのを機に、席を抜け出して1階に降りた。このとき席を立ったのは、私の他に3人いた。

主人の女性に、探している本の目録を見せた。すると売り場に案内しましょうというので、ついて行った。見ると、「아벨서점」と書いてある。主人は私を案内すると、売り場を通って奥の方へ入っていった。店を守っている女性に、ここも아벨서점なんですか、と聞くと、そのとおりで、詩の朗読会をしていた場所は「아벨 전시관」なのだとそうだ。

c0019613_16344031.jpgこの古本屋には、けっこう重厚感ある古本が多かった。あとで『전작주의자의 꿈』を読んでみたら、조희봉氏も「소문으로만 듣던 아벨서점은 들어서자마자 범상치 않은 기운이 느껴졌다. 규모에서나 책들의 수준에서나 헌책방 중 손에 꼽을 만한 곳이었다」(233쪽)と述べていて、아벨서점の貫禄に驚いている。入り口から正面に見える柱の本棚には、辞書が並んでいる。そこに『띄어쓰기 사전』があるのが目に入った。この辞書は、出版社다락원の編集室に置いてあって、ほとんどいつも、テーブルの上に出しっぱなしになっている。部署に関係なく利用している本のようだ。値段を見ると、本の下に「13.」と書いてある。13,000원だ。定価が25,000원だから、ほぼ半額で売っているわけだ。今まで買わなくてよかった。ここで買った本は、次の通り。

 『띄어쓰기 사전』(이성구著、국어닷컴、1995。2004年3版1刷)

買い物を済ませてから、すぐ帰ろうかとも思ったけれど、「오래된 책집」という看板が目に入った。大きなガラス窓から店の中を見ると、本もあるけれど多くはなく、店の中央は小物で占められている。それでも扉を開けて、ここは本屋じゃないみたいですね、と声をかけてみると、中年の小柄な女性が、本も売ってますよ、と答えた。

その女性の脇に、黒い上着を着た若い女性もいた。そして、최종규氏の話をしていた。シャッターが上がっているので、出て来たようだと言っていた。この界隈で個人図書館をやっているという최종규氏が、実際に近くにいるわけだ。それを聞いて、誰でも行けば최종규氏に会えるんですか、と聞くと、もちろんという。

そのあと、棚に置いてある최종규氏の著書を見ながらしばらく3人で話をした。『모든 책은 헌책이다』は、去年の暮れに興味を持ち始めたときにはすでに手に入りにくくなっていて、알라딘にあるのを見つけてやっと買ったことを話した。それについて主人の女性は、그물코という出版社は一人出版社(일인출판사)で財政的に苦しいため、本を一度出したらなかなか再版できないのだという。

そうか。それは残念なことだ。でも、古本屋の情報もどんどん古くなっているので、当時最新の情報を伝えていたこの本は、たとえ大手出版社だとしても、再版しにくかったに違いない。それで、この店の主人は그물코で出た本は展示するだけで売らないと言っていた。一緒にいた若い女性が、自慢するだけなんですねと言うので、私も、客もそれを見て自分もこの本を持っていると自慢できるように展示してあるんですね、と言った。

c0019613_16351584.jpg오래된 책집の女主人に案内されて、3人で一緒に최종규氏の運営する사진책 도서관 함께살기(032-763-4636)へ行った。店に入ると、최종규氏がいた。私たちの他にも、2人ぐらいだろうか、訪問者がいる。최종규氏は、口数が少なく、低く抑揚のない声で話す人だった。

挨拶をしたあと、ひょいと横を見ると、水色の服を来た1~2歳ぐらいの女の子が、本棚の向こうから出てきて、こちらに向かってにっこりと微笑んでいた。娘さんですかと尋ねると、そうですという。この子はとても面白い子で、私がしゃがんで下の方にある本を眺めていると、横に来て一緒にしゃがみ、こちらを向いて満面の笑みを浮かべる。暖房のない寒々とした図書館の中が、この微笑一つで暖かい花園になる。

興味深い本がたくさんあった。卒業文集のような手書きの本もあった。1960年に出た日韓辞典があった。こんな本もあったのかと驚くばかりだ。表紙の遊びに、뿌리서점で買ったとある。それを見て최종규氏に、自分は뿌리서점の近くに住んでいて、5年前から頻繁に通っているけれど、主人は최종규さんのことを、あの人はいい人だとしきりにほめていたと言うと、何か感慨深げな笑顔を見せた。

帰り際に、写真を1枚もらった。白黒の写真で、余白に手書きで「뿌리서점 81」と書いてあった。本と手しか写っていないけれど、뿌리서점の主人が仕入れた本にボールペンで値段を書き込んでいる瞬間を捉えた写真だ。じっと見ていると、いろいろなことを感じさせる、いい写真だ。

최종규氏の“図書館”を出てから、한미서점へ行ってみた。けれども、店が閉まっているという札がかかっていた。中でソファーに寝そべって本を読んでいる姿が見えたけれど、扉を開くのは控えた。それから、反対側に도서마트という大き目の本屋が見えたけれど、そこへは行かなかった。

배다리골목には、通りを挟んで数件の古本屋が肩を寄せ合っている。私は買い物をしない店で名刺をもらわないので、배다리골목で名刺をもらったのは아벨서점だけだった。

というわけで、아벨서점の連絡先だけ紹介しておこう。인천광역시 동구 금곡동 13-1。電話は 032-766-9523。ちなみに、아벨서점の営業時間は、平日が09:00~20:00、日曜は11:00~19:00、第2, 3木曜日は休み。
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by ijustat | 2010-03-10 09:50 | Bookshops


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