유빈이네책방

たまたま一昨日(2010年2月18日木曜日)、최종규氏が去年の11月7日に書いた記事を読んで、유빈이네책방の存在を知った。そして今日(20日)、実際に行ってみた。

c0019613_22414526.jpg場所に関しては、최종규氏の記事に、「지하철 2호선 이대입구역 5번 나들목에서 아현동 언덕받이 교회 있는 데로 조금 걸어가면 헌책방 하나 만날 수 있습니다 」(http://www.ohmynews.com/NWS_Web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001255603)と書いてあり、インターネットで이대駅の5番出口を調べたので、大体どの辺にあるのかは見当がついた。ただ、古本屋によっては、気まぐれな営業をしているところがある。やっているかどうか、電話で聞こうと思った。けれども、최종규氏は電話番号を載せていないし、検索してみても電話番号は見つからなかった。そこで、とりあえず行ってみることにした。

地下鉄2号線이대駅の5番出口を出て아현동方面へ足を向けると、100メートルも行かないうちに、「책」と赤い字で書いた小さな丸い看板が目に入った。この店の前は、最近もたびたび車で通過したし、道が渋滞しているときは、道路沿いに本屋はないかとキョロキョロ眺めているのだけれど、ここに古本屋があることはついぞ気づかなかった。

店の前に至ると、店先にも本棚があり、その前にも箱に入った本が並んでいる。漫画本や、ちょっと目を引く分厚い本などだ。この店頭の本について최종규氏は、「이 앞을 지나가면서 ‘어, 여기 헌책방이 있구나?’ 하고 알아볼 수 있도록 해 줍니다 」と解説している。その本の前で、白いコートを着た30代ぐらいの女性が、しゃがんで一心に本を物色していた。

店に入ると、主人と見られる女性がテキパキと本の整理をしていた。間口よりも奥行きの方が長い店内の中央を、分厚い本棚が陣取っている。移動書架、つまり、引き戸式の本棚で、両側とも3重になっている。だからこんなに分厚いわけだ。その周りが通路で、そして壁側には2重の引き戸式本棚が巡らせてある(ただし、奥の本棚は引き戸式ではない)。左側の奥には流しがあり、その上にも本棚がある。

どこの本屋へ行ったときでもそうだけれど、その店に適応するのに多少時間がかかる。“適応”というのは、店のどこにどんな本があるのかが分かってくるということだ。だから、まずは本棚の間をめぐりながら、並んでいる(あるいは積んである)本を眺める。この本棚めぐりを繰り返すと、だんだんいい本が目に入ってくる。当然のことながら、“いい本があれば買いたい”という気持ちで見回らなければならない。

私が本棚を覗きながら見回っている間に、数人の客が入ってきては出て行った。そのたびに、主人の女性と親しげに会話を交わしていた。ある女性客は、年末に新型インフルエンザにかかったとき、病床で15冊読んだといっていた。それに対して主人の女性は、自分は本が好きでいつも読みたいと思っているけれど、インターネットのチェックでそんなに読む時間がないと言っていた。そうか。インターネットでも本を販売しているのか。

主人の机のある脇の本棚――つまり通り側の本棚――に、昭和8年(1933年)刊の『大言海』が、1冊だけあった。近づいて見ると、これは1巻本ではなく、前と後ろにあと何巻かあるようだ。主人の女性に、『大言海』は、あれ1冊しかないんですか、と尋ねると、そうだと言う。その他に、한글학회の『큰사전』の、2巻と3巻と4巻があった。これも揃っていない。

本棚を2回まわると、大体どこにどんな本があるのか見当が付いてきた。一番奥の本棚には、全集物や、辞書、聖書などの他、比較的重厚感のある本があり、いちばん手前とその後ろの本棚には、一般的な本が多い。

本を見ている間、小学校低学年ぐらいの男の子が何度も出入りしていた。主人の息子らしい。何かを一生懸命話していたけれど、話の内容までは注意して聞かなかった。

店の奥の方の本棚で、三中堂文庫の本を物色していたとき、扉の開く音とともに、女性の挨拶する溌剌とした声が聞こえた。마포区の区長(구청장)に立候補したのだという。そして、大学時代にこの辺を往来していたけれど、ここに本屋があったんですねえと言った。それに対し主人の女性は、ここで店を始めてから7ヵ月になるんですよと答えていた。ということは、去年の7月末か8月初めに開店したのか。

候補者は、向こう側の通路にいる客にも挨拶をしていた。それからまた扉の前に戻り、主人と話をした。どんな人なんだろう。ちょっと気になって見に行くと、いつの間にか旦那さんも来て候補者と話をしている。候補者は、40歳前後で華奢な感じの女性だった。私にもよろしくお願いしますと言いながら、顔写真の入った名刺を差し出すので、私はこの地域の者じゃないんですけどと答えた。すると、知り合いに마포区にお住まいの方がいらっしゃったら、よろしく伝えてくださいと言った。名刺には、마포구청장 예비후보、이은희と書いてある。연세대학교 철학과を卒業し、同大学の행정대학원を出たそうだ。예비후보って何だろう。

私の前に立っていた旦那さんが、カウンターの椅子に腰を下ろした。歳は、50代後半か60代前半ぐらいだろうか。優しそうな人だ。選挙の候補者が出て行ったあと、私は選んだ本を渡しながら、この店は최종규氏がインターネットに書き込んだ記事を見て印象が良かったので来ましたと言うと、최종규さんの記事を見てきた人が何人かいると言って喜んだ。そして、彼は本当にありがたい人だと言った。

それで、私は自分の話をした。私は日本から来たのだけれど、韓国に住んでいる間にソウルの古本屋についてもう少しよく知ろうと思って巡り歩いている。初めは신촌あたりの古本屋を巡っていたけれど、他の地域の古本屋も開拓しようと思って、ためしに「헌책방 종로」で検索したところ、대오서점という古本屋が出てきた。そのときの記事が최종규氏の書いたものだった。そして、최종규氏が韓国の古本屋をほぼくまなく巡り歩いていることを知り、それを読むことで、自分の古本屋に関する知識も飛躍的に高まった。

すると旦那さんも、自分も최종규氏の記事を読んで、古本屋についてたくさん学んだと言う。旦那さんはもともと工学畑の出身で、古本屋を始めたのは、最近のことだそうだ。ただ、以前から奥さんがインターネットで古本を売っていたので、自分も加わることになったのを期に、オフラインの売り場を始めたのだということだった。유빈이네책방という名は、年を取ってから生まれた我が子の名を取った。さっき出入りしていたのがその子だという。えっ?と思った。さっき出入りしていた子は男の子でしたけど、と言うと、その子の名だという。유빈이というから、てっきり女の子だと思っていた。

私が選んだ本は、次の通り。値段を尋ねると、全部で5,000원という。なんと、1冊たった1,000원の計算だ。

 『젊은 그들 (上)』(金東仁著、三中堂文庫、1976。1977年重版<1929年連載>)
 『젊은 그들 (下)』(金東仁著、三中堂文庫、1976。同年重版<1929年連載>)
 『흙 (上)』(李光洙著、三中堂文庫、1975。1977年重版<1932年連載>)
 『흙 (下)』(李光洙著、三中堂文庫、1975。1976年重版<1932年連載>)
 『母』(三浦綾子著、角川文庫、1996。1998年3版<1992年発表>)

ところで、旦那さんは、古本を「헌책」とは言わず、一貫して「중고책」と言っていた。私がそれを指摘すると、英語では「secondhand book」と言うけれど、あのように客観的な言い方を韓国語でもしたいのだというようなことを言った。それで私も同調して言った。日本語でも「古本」と言って、英語の「secondhand book」のように価値中立的な表現だけれど、韓国語で言う「헌책」は“無用になったもの”のような意味合いが強い。そのため、「귀중한 헌책」とか「희귀한 헌책」という表現は検索しても出て来ず、代わりに「귀중한 고서」や「희귀한 고서」ならたくさん出てくる。そういうわけだから、「헌책」という名称には難点がある。

もちろん、自国語を愛する人たちにとっては、固有語を含む「헌책」を廃して全て漢字語の「중고책」を取るということは、受け入れがたいことに違いない。彼らはこう主張するはずだ。「헌책」の「헌」に悪い意味はない、悪い意味を連想する人が悪いのだ、と。しかし、現実には、ほとんどが「헌」によろしからぬ意味を連想する“悪い”人々になってしまっている。そういう人々の意識を、彼らは啓蒙できるだろうか。최종규氏は、一人でその巨大な偏見に立ち向かっているけれど、構成要素の持つ意味から生じるイメージの強さに打ち勝つことは、どうやら無理のようだ。

旦那さんが、최종규氏が寄贈した本を、もし必要ならあげましょうと言った。でも、せっかくの本をただでいただくのは申し訳ないから、お金を払いますと答えると、いや、自分もただでもらったのだから、お金を受け取るわけにはいかないという。それで、私もこの本をいずれ誰か必要な人にただで譲ることを約束し、ありがたくいただいた。

私がいただいたのは、次の2冊。

 『우리 말과 헌책방 6』(최종규著、그물코、2008。初版本)
 『우리 말과 헌책방 7』(최종규著、그물코、2008。初版本)

c0019613_22422151.jpg旦那さんは、우리동네책방の主人の友達だそうで、自分が古本屋を始めたのも、彼の影響だという。そういえば、최종규氏が유빈이네책방の本棚は引き戸式(바퀴 달린 책꽂이)だと書いているのを読んだとき、우리동네책방を思い出したし、実際に訪れてその本棚を動かしてみると、どことなく우리동네책방のそれを髣髴とさせる感触があった。そういえば、店頭に本を並べるのも、どこの古本屋でもやるとはいえ、우리동네책방のやり方と共通している方法ではある。

帰り際に名刺を求めると、우리동네책방のとそっくりな名刺をくれた。実際、帰宅してから유빈이네책방と우리동네책방の名刺を比較してみると、書体からレイアウト、文字の色までまったく同じだった。店名の下に赤地に白抜きで「중고책 사고팝니다」と買いてあるのも、そっくりそのままだ。店名も、じっくり見ると、よく似ている。

유빈이네책방の住所は、서울시 마포구 염리동 8-39。地下鉄2号線이대입구駅5番出口を出たら大通りの方へ行き、そこから右に行けば、すぐにある。電話番号は、02-707-2934。
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by ijustat | 2010-02-20 22:43 | Bookshops


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