대방헌책

この古本屋は、『모든 책은 헌책이다』(최종규著、그물코、2004)で紹介されていて知った。そこに載っていたこの店のサイトを去年の暮れに見て、品揃えのわりといい点と、値段の安い点が気に入った。サイトには、店までの行き方の説明があるので、近々訪問してみようと考えていた。

ところが、年末から年始にかけて、本格的な雪が2度降り、私も腰を2度痛めて入院までしたために、行くことができなかった。そして今日(2010年1月18日)、ようやく調子もよくなり、妻を仕事に車で送る用もあったので、ついでに訪問してみようと思いたち、電話をしてみた。

中年女性が電話をに出た。訪問したいのだけれど何時までやってますかと尋ねると、「인터넷에서 주문하셨어요?」と聞く。何のことか分からないまま、「인터넷에서 책을 보고 찾아갈까 했는데요」と答えると、語気を強めて「그러면 못 찾아요」と言った。そして、訪問されたら迷惑だといわんばかりに「인터넷으로 사세요」と言い、さらに「인터넷으로만 해요」と言った。

なんという高飛車な物言い! 忙しいのか何なのか分からないけれど、電話をされたのが邪魔そうな感じだった。こっちだって、もちろん気分がいいはずない。なにしろ、サイトには「서점 소개」のページがあって、そこには詳細な地図とともに交通手段まで具体的に書いてあるのだから、インターネットで買えと言い放つのは、いかにも不親切な応対だ。

しかし、ここは捨て置ける古本屋ではないのだ。なにしろ、語文学が専攻の人間にとっては品揃えは悪くないし、なおかつ値段も他のサイトに比べて安い。平均的な値段の半額といったところか。(もちろん、平均的にはということで、わりと稀少な本の値段になると、高めの古本サイトの方がずっと安いこともある。たとえば허웅の『國語音韻論』。)

そこで、訪問するのは断念し、目をつけていた本をこのサイトで購入することにした。目を付けておいたのが雪の降る前だから、もう3週間ぐらい経っている。売れてしまったかもしれないと思ってサイト内を検索したら、さいわいまだ売れていなかった。

택배비(宅配代)は、30,000원以上買えば無料になるという。そこで、初期画面に出ていたアイヌ語の研究書も選んだ。そうやって、今日買ったのは、次の6冊。

 『국어사연구』김형규著、일조각、1982。4,000원。
 『언어학』허웅著、샘문학사、1986。5,000원。
 『국어학사의 기본 이해』김민수著、집문당、1987。5,000원。
 『언어과학이란무엇인가』이정민他2人著、문학과지성사、1987。3,000원。
 『國語學史論攷』김종훈他2人著、집문당、1993。4,000원。
 『아이누어 연구』한국문화사、2000。10,000원。

これで、合計金額は31,000원。

대방헌책방について최종규氏が『모든 책은 헌책이다』に書いた内容は、오마이뉴스の2003年12月4日の記事に加筆・修正したものだ。오마이뉴스の記事から引用しよう。この頃は、まだインターネットでの販売を始めて日が浅かったようだ。けっこう苦労している様子が伺われる。

인터넷 헌책방을 꾸린다는 일도 퍽 버거운 일입니다. 주인 아저씨와 아주머니가 손수 책 목록을 넣기 어려워 다른 사람을 써야 하는데, 그렇게 쓰는 일부터 주문을 받고 책을 싸고 부치고, 입금 계좌 살피고…. 세상 어느 일과 장사가 쉽겠느냐만, 헌책방 장사도 참으로 힘든 일이다 싶습니다. 그저 그런 헌책방 살림을 꾸리면서도 좋은 책 한 권을 좋은 사람들이 좋게좋게 찾아내어 즐거이 사가고, 좋은 마음으로 좋게 읽어서 좋게 나눌 수 있다면 그보다 더 나은 보람은 없으리라 생각해요.
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0000157309
そのように、手間も費用もかかる仕事だけれど、それでもインターネットでの販売の方が実入りがいいのだろうか。최종규氏が「<대방 헌책방>은 퍽 외진 자리에 있습니다. 그래서 어느 날은 책손이 찾아오지 않는 날도 있더랍니다」と書いているように、地図を見ると、대방헌책방は住宅街の奥まった場所にある。商売にはあまり適さない場所だ。

そんな場所に店を構えてしまったわけは、「옛날 자리는 건물임자가 새 건물을 짓는다고 해서 지금 자리로 옮겨야 했습니다. 그래서 부랴부랴 서둘러 자리를 알아보았고, 썩 좋은 자리가 아니었지만 지금 자리로 왔답니다」とあるように、以前いた場所は、家主から出て行けといわれ、仕方なく大急ぎで今の場所に落ち着いたのだ。「부랴부랴 서둘러 자리를 알아보았고」というから、立地条件をじっくり考える余裕もなかったに違いない。

一方、最近書き込まれたサイトの「공지사항」を見ると、

책 주문 10,000원이상 받습니다
일손이 바빠 주문 못 받습니다
이점 널리 양해 부탁드립니다
と出ていた。등록일が2009年9月11日の書き込みだ。気持ちは分かるけれど、電話と同じくつっけんどんな語調だ。でもまあ、それだけインターネットでの実入りがいいということだろう。古本屋が繁盛するのはいいことだ。

そういう諸々の理由があって、インターネット販売専用に切り替えたというわけか。

だけど、この店は、主人が売り惜しむ本のある店なのだ。「책값을 셈하던 <대방 헌책방> 아주머니 손길이 잠깐 멈춥니다. <인간 문화재>를 보시더니 "이 책은 아저씨(<대방 헌책방> 주인 아저씨)가 팔기 아깝다고 한 책인데…" "그래도 어쩌겠어요" 하면서 책값을 셈하십니다」と書いているではないか。その棚は店の奥まったところにあり、けっこういい値段が付いているらしい。최종규氏はこの『인간 문화재』という本に、40,000원も払った。(その頃私はお金がなくて、40,000원の『윤동주 육필 시고전집』を買いそびれてしまった。)だから、そういう本が置いてあるあやしげな棚を、この目で見てみたいと思っていた。

そういう直接本を見ながら買いたいという客には、素っ気ないことこのうえない。これも、あやしげな棚を守るためか。

대방헌책のサイトは、http://www.oldbook8949.co.kr/。ぜひチェックしておくことをお勧めする。

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2010年1月20日。一昨日このサイトで買った本が届いた。正確な書名などは次の通り。

 『增補 國語史硏究』金亨奎著、一潮閣、1962。1982年重版)
 『言語科學이란 무엇인가』李廷玟他2人著、文學과知性社、1977。1991年14刷)
 『언어학―그 대상과 방법―』(허웅著、샘문학사、1981。1986年重版)
 『國語學史論攷』(金鍾塤他2人著、집문당、1986。1993年2版)
 『國語學史의 基本 理解』(金敏洙著、集文堂、1987。初版本)
 『아이누語 硏究―韓・日語와의 비교의 관점에서―』(김공칠著、한국문화사、2000。初版本)

書名の漢字使用や、出版年度など、대방헌책はずいぶんいい加減に処理していることを、つくづく感じた。特に、本の刊行年度でなく、その本を刷った年度を書いているのも驚いたけれど、『言語科學이란 무엇인가』では、刊行年度でもその本を刷った年度でもなく、1987年と記載されていた。

本の質に関しては、全体的に良好だった。허웅の『언어학』も、書き込みはあったけれど、目障りなほどではなかった。ただ、『增補 國語史硏究』の書き込みは、私が不快感を覚える書き方をしている。メモを右上がりに書いているのだ。韓国の専門書には、そのような斜め書きのメモが多い。こんなメモの仕方はいかにも浮ついていて、学術的な本とは調和しない。

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2010年3月13日、土曜日。「최현배」で古本サイトを検索していたら、대방헌책に『朝鮮民族更生의道』という本が10,000원で出ていた。1971年版だ。「1930版翻刻本」と説明されている。それで、ためらわずに購入した。本は3月16日、火曜日に届いた。届いた本の書誌情報は、次の通り。

 『朝鮮民族更生의道(1930版翻刻本)』(최현배著、정음사、1971年初版本)

小包を開けて驚いたのは、この本がハードカバーだったことだ。대방헌책のサイトでは、デザインの施された表紙の写真が載っているけれど、この本にはカバーが付いていない。中身がよければいいとはいえ、何となく印象が良くない。

c0019613_19595788.jpgそれに、とても不可解なのは、表紙と背文字の筆書きのタイトルだ。力強い筆跡ではあるけれど、稚拙で無骨な印象を与える。しかも、「族」の「方」扁の書き順が、左から右になっている。それから、「道」は、えんにょうの上に点が打ってある。

昔、남기심先生から聞いた話では、최현배は漢字の点画一つにもうるさく、答案に書いた「成」という字で、「刀」を現す部分を「フ」のように払っただけで70点に減点されたという。その話と、この書体は、とても相容れるものではないと思った。一体誰が書いたものなのだろう。

この本は、최현배が逝去した翌年に出されたものなので、その表紙のデザインについて、著者は何も言える立場になかったはずだ。かといって、誰かが勝手に揮毫するだろうか。

この1冊しか見ていないので、謎は深まるばかりだ。
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by ijustat | 2010-01-18 23:16 | Bookshops


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