『추억 같은 미래』

구로기 료지著、카피바라북스、2002。ISBN : 8995251824

c0019613_18265596.jpgこの詩集は、韓国に在住する日本人が共同で製作した作品だ。こういう企画は、おそらく韓国では初めてだろうし、今後もまず出ないだろう。카피바라북스はいい仕事をした。写真ではよく見えないけれど、表紙の下の方を見ると、製作者たちの名前が次のように紹介されている。

재한 일본인교수들이 만든 콜라보레이션 시집
시:구로기 료지(黒木了二)
번역:요시모토 하지메(吉本一)
사진:후쓰카이치 소(二日市荘)
북 디자인:하야시 에리코(林恵理子)
발행:카피바라북스
それから、表紙には名前が出てこないけれど、表紙の美しい絵を描いた人は、도야마 야스오(外山康雄)という。なぜか後ろの見返りに名前が刷られている。ただし、この人の場合は顔写真まで入っているので、格別な扱いらしい。外山康雄氏は、野の花館というギャラリーを運営しておられるそうだ。

本の体裁は、3ページから101ページまでが本文で、韓国語訳の詩が載っている。そして、付録として、105ページから176ページまでが、日本語の原詩となっている。その1編を紹介しよう。8ページに載っている「메아리 치는 미래」という最初の詩だ。

어디에선가
소리가 난다
침묵의 밑바닥에서
들려오는 소리

지워져 있었던
소리가 난다
그리운 대지의
확고한 울림

실개천이 속삭이는
물소리와 같이
심장의 힘찬
고동과 같이

그리운 미래
미래는
추억 같은 울림과 함께
다가온다
そして、付録の106ページに載っている原詩「こだまする未来」。

どこからともなく
音がする
沈黙のそこから
響いてくる音

消し去られていた
音がする
懐かしい大地の
確かな響きが

小川のささやく
せせらぎにも似た
心臓の力強い
鼓動にも似た

なつかしい未来
未来は追憶のような
響きを伴い
やってくる
本書がこのような形で出版されることになった動機について、著者は「남기는 말」で次のように語っている。

나는 시 쓰기를 좋아해서 15살 때쯤부터 지금까지 약 15년 동안 취미로 시를 써 왔다. 그리고 가끔 내가 지은 시를 한국어로 번역하고 아는 사람들에게 개인적으로 보여 주곤 하였다. 이 시집을 출간하기에 있어서도 처음에는 내가 모든 시를 한국어로 번역하려고 하였다. 그러나 막상 일을 시작해 보니 어려움에 부닥쳤다. 외국어로 시를 쓴다는 것이 쉬운 일이 아니고 정식으로 출판을 하려면 어느 정도 수준이 요구된다. 그런데 지금 내 한국어 실력으로는 너무 부족한 것 같아 걱정이 되고 불안해졌다. (98쪽)
それによると、著者は自分の書いた詩を時々韓国語に訳して知人に見せていたが、いざ詩集として出版する段になったとき、自分の韓国語の実力では出版に耐える訳はできないと考えたそうだ。そこで、「부득이하게 동국대학교의 요시모토 하지메(吉本一) 교수님께 도움을 요청하였다」と、翻訳を他の人に依頼した経緯を明かしている。

c0019613_23432964.jpg私が持っているのは、2002年の12月に出たとき、著者から贈られたものだ。その当時、著者の黒木先生は吉本一先生他数人と一緒に、他にも다락원という出版社で日本語教材の開発に携わっていて、開発者の一員で当時私の同僚だったワトソン・ジョイ先生が、言付かってきた。

ワトソン先生が、黒木先生がぜひ感想を聞かせてくださいと仰ってましたと言うので、私は感想を述べる代わりに、「こだまする未来」をはじめ、詩集の中の短くて印象的な詩6編に曲を付け、それをワトソン先生に渡し、黒木先生に差し上げてくださいと頼んだ。

あとで話を聞くと、黒木先生と吉本先生は楽譜を見ながら、二人で「どんな曲なんだろうねえ」と言っていたそうだ。誰も楽譜を読める人がいなかったのだ。

翌2003年の8月19日、黒木先生がもうすぐ帰国することを聞いた。それで、ワトソン先生から電話番号を教えてもらい、初めて電話をかけた。そのとき、それらの曲を下手な歌と下手なギター伴奏とで歌った。電話口コンサートだ。

歌は聞き苦しかったろうけれど、曲は気に入ってもらえて、自分の葬式の時にはこの曲をかけてもらおうと思いますと言ってくれた。

c0019613_233544.jpgその翌年、黒木先生がまた韓国に戻ってきて地方の大学に就職し、そこで個人コンサートを開いてその曲を歌ったということを、当時同僚だった徳間先生から伝え聞いた。

去年、黒木先生は韓国人の女性と結婚した。彼女も日本文学を専攻し、現在は大学で教えている。文学者夫婦だ。奥さんが美しい人なので、黒木さんにはもったいないという人がいるという。なんと失礼な。

結婚式のとき、黒木先生は「こだまする未来」を出席者たちの前で歌ったそうだ。伴奏はギターの上手な人に頼んで。

昨日(2010年1月2日)、黒木先生と奥さんと동부이촌동で会い、話に花が咲いた。それで、この詩集のことを思い出し、ブログに書いてみた。

『추억 같은 미래』は、2010年1月3日現在、まだインターネット書店でかろうじて手に入る。気になる人は、ぜひ購入を。
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by ijustat | 2010-01-03 18:08 | Books


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