향원(香苑)

연남동にある中華料理店だ。私はこの店の前を千回以上車で通り過ぎたけれど、自分から入ったのは、一昨日が最初だった。

c0019613_22453027.jpgでも、この店に入ったのは、今回が初めてではない。たしか12年ぐらい前、当時연세대학교の語学堂で日本語講師をしていたとき、石鹸会社の重役だった学生に招待されて、この店で一緒に食事をした。そのとき、コースの中に含まれていた누룽지탕を初めて食べ、その美味しさに驚いた。

しかし、その時の店の印象は、あまりよくなかった。なぜなら、私はその人と2人で食事をしたのだけれど、4人だか6人以上でないと、同じ値段でもまともなサービスを受けらなかったからだ。私を招待してくれた人は、そんな店の態度に憤慨した。そのとき私は、누룽지탕の美味しさに感動しながらも、ちょっと気難しくて敷居の高い店といった感じを受けた。京都の“一見様お断り”といった風情に感じたのだ。

その後、私は職場を2度変えながら、この店の前を何度往来したか分からない。そのたびに、私は누룽지탕の美味しさを思い出しながらも、敷居の高い店の雰囲気のせいで、いつも足を踏み入れる気までは起こらず、看板を眺めながら通り過ぎるばかりだった。

c0019613_2259226.jpgしかし一昨日、思い切って入ってみた。最近は、新しい食べ物屋を開拓しようと努めているので、ちょっとした冒険もしたかったし、ほんの少しばかり余裕もできたこともあって、店に入ってお金が足りずに恥をかくこともないだろうと思った。それに、中華料理屋はどこも、高い料理はすごく高いけれど、安い料理はかなり安価というように、価格の幅が大きいから、この店もきっとそうだろうと考えた。

店の前に車を止めると、駐車場を案内する人が店から出てきて、慇懃な態度で、車を止めるのを手伝ってくれた。50代ぐらいの年配の男性だ。それだけで私は緊張する。そして、店の扉を開けるとき、ちょっと高級な感じだったので、さらに緊張した。店に入ると、背広を着たお金持ちそうな老人が、上品にお辞儀をした。やっぱり場違いだったかな、と心配になった。

恐る恐る「식사도 돼요?」と聞くと、「돼요.」というので、安心した。「식사」というのは“食事”のことだけれど、飯類と麺類の、主食系のメニューをいう。볶음밥が食べたかったので、見ると7,000원だった。

볶음밥の味は、딘타이펑(鼎泰豊)ほどではなかったけれど、それでもけっこう美味しかった。それで、この店はいけると思った。(ただし、玉子スープはあまり美味しくなかった。)店の女主人とも話をした。누룽지탕は25,000원だという。思ったほど高くない。まあ、特別なことでもないと、ちょっと気が引ける値段だけれど。

c0019613_2354859.jpg今日は、방통대の最後の録画が終わった。そのあと、妻を学校まで迎えに行くと、妻がお昼を食べていないのでお腹が空いているという。それはちょうどいいと思い、향원に行くことにした。そして、念願の누룽지탕を注文した。メニューの名は「삼선누릉지탕」。漢字では「三鮮鍋巴(Sānxiān Guōbā)」と書く。

注文すると、店の人が、油で揚げた米の塊と、八宝菜のような汁を別々に持ってきた。そして、私たちの見る前で、米の塊に汁をかけると、ジューという音がして、いい香りが漂った。それが、いちばん上の写真だ。残念ながら、上手に撮れなかった。

それを、個人の器に盛ってくれる。それが、この3番目の写真だ。椎茸や青梗菜の他に、海鼠、鮑、蝦などが入っている。妻は蝦が新鮮だといって喜んでいた。

누룽지탕だけでも十分満腹になると言われたけれど、私たちは満腹にならなかった。それで、자장면を1人分(5,000원)取って、妻と一緒に分けて食べた。麺が固めで美味しかった。자장면の麺はたいてい柔らかくて腰がないけれど、この店の자장면は麺が硬めで歯ごたえがいい。

향원(香苑)の住所は、韓國首爾麻浦區延南洞226-36。電話番号は、02-335-0010, 336-3421。首爾(Shŏu'ěr)とは、最近韓国で作ったソウルの中国語読みだ。北京語の発音で、ショウアルのようになり、ソウルと発音が近い。何だか夷狄の都みたいで、私は好きではないけれど、韓国で発表した次の年あたりから、中国ではしぶしぶこの名前を使っている。
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by ijustat | 2009-09-23 23:23 | Restaurants


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