アラビア語講座5

今日はアラビア語講座の5週目だ。先週より少し早めに家を出たけれど、結局バスが来たのは同じ時間だった。けれども高架道路の撤去工事はほぼ完了に近づいていて、道は混雑せずに、10分前に教室に入ることが出来た。

c0019613_1343956.jpg今日は、前半と後半に授業が分れた。前半は韓国人の先生が文字の講義をし、後半は母語話者の先生が、数字を教えた。

まず最初にプリントを配られた。そのプリントは2枚で、1枚目にはアラビア文字で書かれた単語が19個と、ハングルで転記された表現が15個あり、2枚目にはアラビア文字で書かれた単語が30個あった。よく見ると、母音記号が付いていたり付いていなかったりしている。

授業は、まず最初にそれらの単語を読んだ。そのあとすぐに、3つの挨拶と、人称代名詞を読み、それから子音字の独立形を並べたものをつなげて書く練習をした。この練習は面白かった。韓国の大学における最近の教授法では、「강의하지 말고 참여시켜라」と言われているけれど、本当に学生が授業に参加するような授業をすると、とてもよく身に付く。

そのあと、母語話者の先生が数詞の講義をした。でもねえ、すごいスピードだ。まず文字だけをずらずらと書いていく。数詞を書いているようなのだけれど、よく分からない。それに、書くのが速すぎて書き写すのにもついていけないし、母音記号を書かないので読めない。意味が分からないと、書き写すのも大変だ。

文字を書き終わって読みの練習をしたあと、意味を書いた。つまり、単語の脇に、それぞれの単語が表す数字を書き入れたのだ。そのあと、韓国人の先生が、母音記号を入れた。そして、すぐに序数詞の説明に。私はその間も、まだ半分しか書き終わっていない基数詞を書くのでてんてこ舞いだった。

序数詞の説明をしながら、これが基数詞のどれと同じだということを説明しているけれど、そこまで認識する余裕すらない。文字の認識にものすごい時間がかかるからだ。そしてすぐに、曜日の説明に。曜日を板書して説明をしながら、この曜日に数詞が用いられていることを説明してくれるけれど、そのとき私は基数詞の書き写しがやっと終わった。そんなわけで、私のノートには、序数詞も曜日も書き込まれていない。

他の受講生たちが特に負担がっていないところを見ると、もうすでに知っているのだろう。毎期出てくる人もいるというから、その人たちと私との実力の差は、月とすっぽんだ。

授業が終わってから、先生に他の質問をするついでに、授業のやり方について少し注文をした。それは、母語話者の先生が説明をするとき、板書する前に意味から示してほしいということだった。何も分からないまま形と音とが提示され、それが何か分かった瞬間次へ行ってしまうので、記憶にほとんど残らないのだと説明した。

いや、もしかしたら、ちゃんと説明してくれても記憶に残らない可能性はある。アラビア語はそれほど難しい。

c0019613_0442519.jpgところで、日本に注文していた『CDエクスプレス アラビア語』(奴田原睦明・岡真理著、白水社、2001, ISBN: 9784560005712)が昨日届き、교보문고で受け取ってきた。そしてそれを見て、驚いた。『알기쉬운 아랍어 입문』(김종도監修、明志出版社、2007)とそっくりなのだ。違いといえば、ヤーバーニーユン(日本人)がクーリーユン(韓国人)になっている部分だけか。レイアウトから挿絵や写真まで同じだ。

印刷の精度は、CDエクスプレスの方がずっと良好だ。알기쉬운の版を使ってCDエクスプレスの精度に直すことは、不可能だ。それに、挿絵画家と写真提供者の名前がCDエクスプレスには載せられている。それらはすべて日本人の名前だ。알기쉬운の方には、監修者名があるだけで、著者名も挿絵画家の名もない。この点から、CDエクスプレスの方がオリジナルだと考えられる。

また、出版年度を見ても、CDエクスプレスの方がずっと先だ。これは89年に出た『エクスプレス アラビア語』にCDを付けたものだと奥付で明らかにしているから、きっと89年度版と内容は同じだろう。알기쉬운は、2007年に出たとある。エクスプレスと알기쉬운との間には、18年ものギャップがあるわけだ。18年後に韓国で出る本を日本で翻訳・出版するということは、タイムマシンでもない限り、ありえない。いくら日本の技術が優れているからといって、80年代にタイムマシンを作ったというニュースは聞いていないし、ホーキング博士は、時間旅行は不可能であると言っている。その点からも、CDエクスプレスの方がオリジナルだといえる。

それに、私は80年代の後半、このエクスプレス・シリーズが出てきて話題になっていたのを知っている。そして、白水社のニュースレターや(タバコの“HOPE”という字を見て“ノーリェ”と読んでしまうようになったという編集者の告白があった)、千野栄一氏の著作などを通して、その編集過程について想像していた。実際、エクスプレス・シリーズは、千野栄一氏の考える理想の学習書にぴったり合っているのだ。私はエクスプレス・シリーズを、千野栄一氏の企画によるものではないかと疑っているほどだ。アラビア語は、そのシリーズの形式に忠実に則っている。その点からも、CDエクスプレスの方がオリジナルだと考えた方が自然そうだ。

c0019613_04519.jpg結局、알기쉬운は、CDエクスプレスの翻訳版という結論に落ち着く。にもかかわらず、この本のどこにも日本の白水社の教材を訳したという表示はない。版権使用の許諾を得ながらそれを奥付に表示しないなんて、よほど特殊な事情がない限り許されないだろうし、原著の版権情報を隠して得することも、あるとは思えない。ということは、もしかして、無断で翻訳?

ということは、알기쉬운の6,000ウォンという安価さは、制作費も著作料もかかっていないからだったのかもしれない。同じ業種の삼지사(三志社)に比べて3分の1ぐらいの値段で本を出している理由は、そういう点にあるのか。ひええ、まだそんな出版社があったのか……。

それでも私は、アラビア語講座に알기쉬운を持って行った。CDエクスプレスで勉強しながら不明な点があったとき、先生には알기쉬운を見せて質問できるからだ。先生は日本語を知らないので、これはとても便利だ。
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by ijustat | 2009-09-06 22:49 | Language Learning


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