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しぶや(시부야 숙대점)

学生街にある日本料理の店だ。日本人が経営し、味の管理も日本人の手による。

c0019613_16444625.jpg地下鉄4号線の갈월동 숙대입구駅で下車し、10番出口から숙명여자대학교の正門へ向かって緩い上り坂を歩いて行くと、通り沿いの右手にある。

しかし、私たちは駅からは行かず、이촌2동입구で2016番のバスに乗り、효창공원삼거리で下車して行った。

2011年11月8日。ちょうど紅葉の時期で、道路は銀杏の落ち葉で黄色く染まっていた。ここ一週間ほど気候は温暖で、この時期の寒さが感じられない。なんといい日だろう。

今日は、私たち夫婦と友人2人とで、この店を訪問した。そして、カツカレーライスとカレープデチゲを食べた。

なんと不覚なことか。カレープデチゲの写真を撮るのを忘れてしまった。しかたない。味だけ説明しよう。

プデチゲのコクある味と、カレーの香り高い味とが調和して、グングン食欲をそそる。麺は、普通のプデチゲに見られるインスタントラーメンではなく、うどんが入っている。このうどんは歯ごたえがよく、プデチゲなのに、高級感を添える。新しく開発したメニューだそうだ。

幸いなことに、カツカレーライスを撮るのは忘れなかった。
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社長の渡辺さんと話をする機会を得た。渡辺さんの話によると、カレールーは日本から取り寄せていて、そこに十数種類の香辛料や野菜を入れて作るのだそうだ。スープはとりがらのだしで取る。このカレー作りの作業だけでまる一日かかるという。

特に、たまねぎが大変らしい。いっぺんに50キログラム、100キログラムと大量に仕入れ、下ごしらえをし、飴色になるまで炒める。下ごしらえするとき、たまねぎの刺激が強烈で、ゴーグルをしても涙が出るそうだ。しかし、これを一回やると、風邪を引かないという。たまねぎの薬効はすごいものだ。

カレーを作るとき、最初に食べた瞬間は甘く感じ、そのあとから辛味が感じられるように作らないと、美味しいと感じられないそうだ。いくら辛い味が好きな人でも、最初から辛味が先走ると、ただきついだけの味になってしまうのだという。

そのためだろうか。この店のカレーは本当に美味しかった。ちなみに、私は辛口も甘口もOKだ。

韓国にはCoCo一番街も入っていて、종로(鍾路)など数か所に店を出している。渡辺さんの話では、あそこはプロの味だけれど、自分たちは家庭の味に仕上げたという。

CoCo一番街のカレーはたしかに美味しかった。けれども、私の考えでは、しぶやの方がカレーの味は優れている。数種類の野菜から出たさわやかで深いコクが感動的だ。それに、しぶやのカレーは、ご飯と接している部分もサラリとした食感をたもっていて気持ちいい。いいお米を使っているのかもしれない。値段も6,500ウォンと廉価だ。
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カツは、カレーの上ではなく、ライスの上に載っていた。量もたっぷりで、ヒレ肉も柔らかく、カラリと揚がっていて、後味もさっぱりしている。

店を出てから妻が、あの味を学生街の簡素なインテリアの店で食べさせるのはもったいないと言った。そうかもしれない。

しぶや(시부야 숙대점)の電話番号は、02-792-3739。住所は서울시 용산구 청파동2가 60-19。ビルの2階にある。
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by ijustat | 2011-11-08 17:17 | Restaurants

낙락(樂樂)

この日は、最初は회덮밥(刺身と生野菜のビビンバ)が食べたかったのだけれど、入った일식집(日本料理屋)で案内されたのは、調理場の前のカウンター席。薄暗く、奥は生ビールのタンクや従業員の服などで雑然としていた。こんな席しかないんですかと聞くと、そうですというので、店を出た。

それで、やっぱり연희동の中華料理屋で炒飯でも食べようと思い、연희동の通りをずっと南下して行った。しかし、入ったことのない店を探しているうちに、そのまま연희동を通り過ぎてしまった。そして、연남동で目に入ったのが、この店。

c0019613_1432287.jpg연남동は、少し高級そうな店の並ぶ연희동とは一転して、庶民的な雰囲気の店が並んでいる。とはいえ、値段はそれほど違うわけではない。

例によって、삼선볶음밥(三鮮炒飯)を頼んだ。そのメニュー1つで店の何かが分かるわけではないのだけれど、それでもなんとなく分かるような気がする。値段は6,000원。それがこの界隈での相場らしい。

量は今まで연희동で食べたどの店よりも多かった。蝦もちゃんと入っている。いや、いっぱい入っていた。味もまあまあいける。ただ、ご飯が少し柔らかかった。日本の、ちょっと疲れたおやじさんがやっているラーメン屋の炒飯、といった味だ。짜장소스は別に器に入れられていて、片栗粉でとろみが付けられている。ついてきたスープは짬뽕수프だった。

この店も、従業員たちは中国語で話していた。それを聞きながら、ああいう話が聞き取れるようになったらいいなあと思った。

낙락の電話番号は、02-326-1671。所在地は、서울시 마포구 연남동 224-26 대웅빌딩 1층。
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by ijustat | 2009-10-29 14:43 | Restaurants

元祖 국수집

ソウルの郊外にある道路沿いの국수집(素麺屋)だ。

c0019613_13552110.jpgこの店は、화정にある명지병원(明知病院)に行った帰りにいつも通っていたのだが、いつもたくさんの客がいるので気になっていた。今日は、妻がそこで국수(素麺)を食べたいと言ったので、行ってみることにした。

現在この店は、道路沿いの本館が内装工事中で、奥まったところへ100メートルほど行った場所にある別館で営業していた。その一帯に似たような국수집が何軒かあって、入り口の当たりは車で混雑していた。私たちは、本館の駐車場に車を止めて、別館へ行った。

店に着くと、人がごった返していた。すごいお客の数だ。私たちは잔치국수を2人分注文した。なんと、1杯3,000원だという。お金を出すと、レシートもくれない。店内は従業員たちが忙しそうに往来している。

しばらくして出てきた국수を見て驚いた。すごい分量だ。初めは2人前かと思ったほどだ。でも店員が、すぐにもう1杯お持ちしますという。初めは聞き間違えたかと思った。しかし、まもなくもう1杯やってきたので、これで本当に1人前だということが分かった。味はそこそこに美味しいけれど、この量が感動的だ。

c0019613_14121272.jpgこの店は、잔치국수の他には、비빔국수しかやっていない。たった2種類のメニューで、どちらも3,000원だ。テーブルには잔치국수用の다대기(薬味)と、비빔국수用の초장(酢味噌:酢入りの唐辛子味噌)の他に、箸が置いてあるだけで、匙がない。妻が店員を呼んで「수저 주세요」と言うと、「수저 없어요」。器を両手で抱えてスープを飲んだ。

レシートをくれないので、店の電話番号や所在地が分からなかった。それで、店を出るとき「명함 같은 게 없어요?」と聞くと、「명함은 없어요」という。それで、インターネットで調べてみた。元祖 국수집の電話番号は、031-974-7228。所在地は、경기도 고양시 덕양구 행주내동 138-3
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by ijustat | 2009-10-29 14:14 | Restaurants

이화원(梨花苑)

この店は、先日行った진보の隣にある。ここも初めて入ってみた。

c0019613_1912574.jpg연희동の多くの店がそうだけれど、店の周辺には狭い駐車空間があって、駐車管理人が車を止めてくれる。この店もそうだった。

階段を上って扉を開け、店に入ると、右側にカウンターがあって、主人と見られる30ぐらいのハンサムな男性が、なにやら計算をしていた。私が入ってきた気配に気づき、ちらりとこちらを見た。一人です(혼잔데요)と言うと、あちらへどうぞ(이쪽으로 가세요)と、ほとんど私を見ないで奥の方を指差した。なんと愛想のない店だろう。

c0019613_19234928.jpg奥へ行くと、そこは狭い部屋だった。一人で来た客に個室をあてがうので、少々当惑した。何だか適当に部屋へ放り込まれたという感じだ。とはいえ、テーブルも椅子も年季が入っていて、なかなか落ち着いたいい感じだ。窓の外の緑も美しい。注文をとりに来た女子店員に、この店は雰囲気がいいですねえと言うと、部屋によって雰囲気が違うんですよ(방마다 분위기가 달라요)という。

삼선볶음밥(什綿炒飯)を頼んだ。炒飯が食べたかったし、美味しい炒飯の店を探すのも意味あることと思ったのだ。

注文したあと本を読んでいると、炒飯が運ばれてきた。食べてみると、ご飯は硬めで炒めた香ばしさがある。添えられている짜장소스も美味しい。さらに、玉子スープもとても美味しかった。これは、韓国で今まで食べた中で、いちばん美味しい炒飯だ。

先日の진보で、夕べ炒飯を食べてみた。あそこの炒飯も美味しかった。十分に満足できる味だった。でも、이화원の炒飯は、さらに美味しかった。スープまでちょっとした感動を覚える味わいだった。

先ほどのカウンターで勘定を払うとき、主人の背後に家族の写真が飾られているのを見た。ものすごく古いものまである。100年ぐらいはたっているだろうか。そして、見るとずいぶん古くから中華料理屋をやっているようだった。

この店はずいぶん古い店みたいですねえ、と言うと、ええ、まあ昔からやってますよ、と愛想のない返事。

이화원の所在地は、서울시 서대문구 연희1동 189-8。電話番号は、02-334-1888と02-334-8770。もらった名刺に「맛과 정성이 특별한 집」と書いてあった。それには同意する。でも、名刺の裏に「이화원은 가까운 곳에 있습니다.」と書いてあるのは、意味不明だ。

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2009年11月4日。同僚の先生たちと一緒にこの店を訪れた。先生たちは肉絲麵(ròusīmiàn)を頼み、私は蜊子炒馬麺(lízi chăomămiàn)を頼んだ。店の人が、それぞれ少しずつ取り分けて、みんなが両方の味を見られるようにしてくれた。食べてみて、蜊子炒馬麺もとても美味しかったのだけれど、肉絲麵の美味しさは、すばらしかった。
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by ijustat | 2009-10-26 19:34 | Restaurants

진보(珍寶)

연희동にある中華料理屋だ。

c0019613_18304969.jpg今日は久しぶりに、午前中の授業が終わったあと、午後他の用事があって、昼を外で食べた。朝食抜きで授業をしたのでとてもおなかが空いていて、いちばん手っ取り早く満腹感を味わえる炒飯が食べたいと思った。しかし、今まで行った店の中で炒飯が美味しかったのは、초유향と딘타이펑ぐらいだ。どちらも、今日行くところと方向が違う。それで、연희동の通りにある中華料理屋の中で良さそうなところを開拓してみることにした。

そこで入ったのが、この진보(珍寶)という店。漢字を見ると、何だか奇妙な感じがするけれど、それは日本式に考えるからいけないのであって、韓国語で考えれば、別に何ということはない。(とはいえ、서대문にあった CHINKO というレストランや、홍제동にあった UNNCCO という服屋は、やっぱり変な名前だ。それらの店は、しばらくして消えたけれど。)

初め、炒飯を頼もうと思っていたのだけれど、メニューの水炒麺(수초면:7,000원)に目が行き、それが食べたくなった。従業員の女の人が注文を取りに来たので、メニューを見ながら“shuĭ chăo miàn”と言ってみると、すぐに理解した。あとで、店の主人と思われる初老の男性が、その女の人にものすごく速い中国語で何か言っているのを聞いた。もちろん、何を言ったのかは分からない。速すぎて全然聞き取れなかった。

出てきた水炒麺は、今まで食べた中でいちばん美味しかった。ちょうど食欲の季節だから美味しく感じたのかもしれないけれど、油で炒めた香りが食欲をそそった。(麺は、少し細めで柔らかかった。澱粉質の弾力が多少強かったかもしれない。)

それと、付け合せの酢醤油玉葱(名前が分からないので、そう呼んでおく)。写真を見ると、たくあんの右側にあるのがそれだ。甘酸っぱい酢醤油に、切ったばかりの玉葱が浸かっている。これがまた、料理によく合った。

진보(珍寶)の所在地は、서울시 서대문구 연희1동 189-10。電話番号は、02-338-2897~8。사러가쇼핑の並びの南寄りで、向かいに해지연(海之宴)という中華料理屋がある。

勘定を払うとき、血色のよい若い女性の従業員が(いや、もしかしたら、この人が主人だったのかもしれない)、ぜひ予約もしてください。2階にも席がありますからと言った。まあ、そんな大人数で来店することがあるかどうか分からないし、一行がお酒を頼んでこの店を潤してあげられるかどうかも分からないけれど、味はよかったので、いつか知り合いや同僚と一緒に来てもいいかもしれない。
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by ijustat | 2009-10-21 18:47 | Restaurants

해적선 조개구이

妻と一緒に인천(仁川)の월미도(月尾島)へ行った。

c0019613_2561069.jpg3日の夜、せっかく추석なんだから、인천までドライブして刺身でも食べたいと妻に言われた。

でも、인천の地理はほとんど分からない。ソウルの街を地図で見ると、大体どこがどんな街で、どんなものがあってどんな人が住んでいるということがイメージできる。だから、地図だけ見て、どの辺に食事に行こうかなどと考えることも可能だ。ところが、인천の地図を開いてみると、そこには網の目のように道が敷かれていて、至る所に施設物の表示があるだけで、その街がどんな街なのか、いくら目を凝らして眺めていても、何もイメージできなかった。

そうしているうちに、ふと思い出したのが、월미도だった。월미도は、まだ大学生だった1988年、たまたま1ヶ月の韓国旅行に来たときに、当時인천に住んでいた友達に案内されて行ったきりだ。そのとき、헤밍웨이という窓の広い洋食屋で、午後の光にきらめく海を眺めながら、際限なく雑談に興じたことを思い出す。しかし、どうやってそこへ到り、どうやって帰ってきたのか、まったく思い出せない。その不完全な記憶だけを手がかりに、월미도へ行ってみることにしたのだ。

インターネットで월미도について簡単に調べたあと、地図で道を確認して、夜中の10時過ぎに家を出た。인천の地理をほとんど知らないのだから、ほとんど破れかぶれの気分で出発した。

서강대교(西江大橋)を渡ったあと、경인고속도로(京仁高速道路)まで、道はまっすぐだ。驚いたことに、この道は、신촌로터리(新村ロータリー)から경인고속도로を経て인천항(仁川港)の正門に至るまで、一直線だ。월미도はそこから右へ曲がって港沿いにずっと行けば辿り着く。地図で見ると複雑だけれど、行ってみると、単純な道順だった。それでも、월미도に入ってから、私は道に迷った。

추석の夜だというのに、道は混んでいた。私たちの進行方向には稲妻の閃光が時々見えていた。それが、경인고속도로に入って長い地下車道を抜けたとき、外は激しい雨が降っていた。川端康成式に言えば、国境の長いトンネルを越えると大雨だった。夜の底が水しぶきを上げていた。

高速道路を走る間、激しい雨が続き、そのために標識がよく見えず、料金所で하이패스(ETCのような、ノンストップ自動料金収受システム)用の通路に入ってしまった。その原因の一つは、行き先の表示板が車線ごとに出ていて、인천は1車線になっていたのだけれど、料金所では、そこが하이패스用の車線だったのだ。実際には、どの車線も인천行きだった。出来損ないの文章みたいな表示板だ。

c0019613_2261179.jpg料金所を過ぎてしばらくすると、雨足は徐々に弱まってきて、인천に着いた頃は、すでに雨も上がっていた。そして、월미도に着いた頃には、夜空高く、雲の切れ間に満月が皓々と輝いていた。少し前までの雷雨が嘘のようだった。地面が濡れていることだけが、雨が止んだばかりであることを物語っていた。

海岸へ行って영종도(永宗島)を眺めた。海から吹き付ける強い風に正面から当たっていると、息をするのが苦しいほどだった。妻は海の夜景に関心がないようで、写真を撮る私の後ろから、「早く行こう」と言った。

c0019613_2432168.jpg월미도は、とても真夜中とは思えない賑わいだった。월미도놀이공원という遊園地があって、深夜まで営業している。場内から、けたたましいアナウンスの声が鳴り響いていた。

c0019613_246145.jpg出店も出ていて、通りには友達連れや恋人たちが、楽しそうな表情で往来している。周辺の地域はすでに深い眠りに入っているのに、この地域だけがこのよう浮き上がっているのは、異様な雰囲気だ。

私はどうも、千と千尋の神隠しを見たあと、いたるところでそれを髣髴とさせる光景に出くわす。よっぽどあのアニメが印象深かったのだろう。真夜中の闇に取り囲まれた環境の中で、こうやって狂乱にも似た不夜城のにぎやかさを眺めていると、往来する人々が、あのアニメに出てくる魑魅魍魎とダブってしまうのだ。もっとも、往来する人々の中には、私たちの姿を見てそう思った人も、いるかもしれない。

c0019613_2521254.jpgこの해적선 조개구이という店は、たまたま通りがかりに妻が入ろうと決めた。看板に大きく出ている「조개구이」の4文字と、水槽の中の新鮮そうな魚が気を引いたようだ。

해적선というのは海賊船のことで、조개は貝、구이は焼いたもの。店の中は、海賊船を思わせる調度品で飾られている。その安っぽさは、いかにも観光地といった風情だ。何でもかんでも写真に撮る私が、その気色悪い調度品をあとで見るのが嫌で、写真に撮らなかった。船長の顔がたこの胴体で、髭がたこの足というのは、グロテスクだ。

私たちは、上の写真にある조개구이(중짜: 40,000원)を食べた。最初メニューを渡されたとき、その値段を見て私は怯んだ。メニューの内容は、조개구이の大が50,000원で中が40,000원、광어 막회が30,000원、우렁 막회が30,000원、멍게 막회が20,000원、개불 막회が20,000원、두부 김치が10,000원、해물 파전が10,000원……。しかし、せっかく来たのだし、ここで諦めてはもったいない。それで、조개구이を頼むことにした。(妻が2万ウォン出してくれた!)

c0019613_385850.jpg店の人が、조개구이は2人で食べて十分だと言ったけれど、それは本当だった。満腹でもう食べきれないというぐらい食べた。妻は途中で「もう食べられない」と言い、店員に「포장해 주세요(包んでください)」と言った。しかし、店員は、포장(包装)はできないと答え、「불을 빼 드릴 테니까 천천히 드세요(炭火をお下げしますから、ゆっくり召し上がってください)」と言った。

料理の味付けもよかった。最初に出たムール貝のスープは、塩で味付けされているだけなのに、とても美味しかった。貝も新鮮だ。私は食材について詳しいことは分からないけれど、質のいい貝を仕入れているのだろう。

c0019613_3153246.jpgそれから、一緒に出てくる계란찜(茶碗蒸しのようなもの)も美味しかった。私は食堂で出される계란찜を、そんなに美味しいとは思わないのだけれど、この店のは玉子の味が香ばしく、食事の合間合間に食べると、程よい箸安めになった。

c0019613_3203334.jpgしかし何といっても、この店の隠れた目玉は、ソースにある。ごく普通に出される초장(酢で練った唐辛子味噌)や고추냉이간장(わさび醤油)、쌈장(なめ味噌)の他に、特別のソースがある。これは、金網の上で煮ながら貝を入れて食べるもので、ベースは초장とピザ用のチーズ。そして、そこに玉葱、輪切りの青唐辛子、細かく切った人参などが入っている。無国籍的な取り合わせだけれど、なんとも言えずいい味だ。左の写真はまだ火入れする前の状態で、火入れされた状態は、最初の写真の左寄りにある。

貝を焼くのを手伝ってくれた女子店員の胸に懸かっていた、名前がデザインされたペンダントを妻が見て、「이름이 초록이라고 해요?」と言った。ペンダントは金のレリーフで「金初緑」と形作られていた。その子は、漢字を見て名前を読んでくれる客に会ったことがないらしく、大いに驚いていた。高校3年生だという。卒業したら就職するのだと言っていた。

観光地で食べる料理は、たいてい量はともかく味がいまいちなので、妻も私もあまり期待していなかったのだけれど、この店は思いがけず美味しかった。

해적선 조개구이の所在地は、인천광역시 중구 북성동1가 79-230번지 1층。電話番号は、032-763-8292。遊園地のある通りの、海岸に近い裏通りにあって、手前が야구장(バッティングセンター)になっている。できてまだあまり経っていない店だからなのか、宣伝が下手なのか、それとも宣伝する必要がないのか、この店を紹介する記事はインターネットに一つもなかった。この店のことを言及していたのは、一つだけ、モーテルの紹介記事に、周囲にある店として、出ているだけだった。

あとで調べてみると、このあたりには조개구이の店がたくさんあるそうだから、探せばもっと美味しい店が見つかるかもしれない。
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by ijustat | 2009-10-04 02:21 | Restaurants

삼청수제비

김영삼(金泳三)大統領が청와대(靑瓦臺)からこの店に수제비を注文したことで、有名になったとか。私は数年前初めて来て、特に感動の味というわけではないけれど、その後何度か足を運んでいる。やっぱり美味しいのだ。

c0019613_18253394.jpg今日は、妻と一緒に가회동(嘉會洞)の한옥마을(韓国伝統家屋密集地)を散歩したあと、この店に来た。そして、この店の目玉である수제비(6,000원)を食べた。

수제비に似た日本の食べ物は、すいとんだ。小麦粉をこねて、手でちぎりながら沸き立った鍋に入れていく。ただ、私は韓国に来る前、すいとんが好きではなかった。外ですいとんを食べたことはないけれど、家で食べるすいとんは、小麦粉の塊が大きくて粉っぽく、口の中でもこもこして決して美味しい食べ物ではなかった。すいとんにするなら、もう少し頑張って生地を麺棒で伸ばし、細く切ってうどんにした方がずっと美味しいと思っていた。

c0019613_18305477.jpgしかし、수제비はたいてい、ひらひらに伸した小麦粉の生地をちぎる。写真で見るように、厨房でこうやって、布巾のように薄く伸した生地を、ちぎっては鍋の中に入れている。この店は客が多いので、3人ですごいスピードで生地を入れている。

このように、生地をひらひらに延ばしたものをちぎっているので、少しも粉っぽくなく、ひらひらとして柔らかい。これなら私も好きだ。

韓国に来たばかりのころ、ある韓国の人が私にご馳走してくれたとき、「すいとんを食べに行きませんか」と聞かれた。内心、嫌だなと思ったけれど、せっかく好意でご馳走してくれるのだから、文句を言わずに喜んで付いて行った。ところが、出されたものを食べてみると、日本で食べていたすいとんとは似ても似つかない、ずっと美味しいものだった。嫌だと言わなくて、本当によかった。

だから、韓国の人から日本語で「すいとん」だとか「おから」だとかをご馳走しますと言われたとき、日本語でイメージして断らない方がいい。思わぬ美味しい食べ物にありつく機会を失ってしまうかもしれないから。こういうことが起こるのは、辞書を編纂した人たちにも責任があるかもしれないけれど、たしかに材料や作り方の一部は同じなのだから、仕方がないことだ。

c0019613_18363775.jpg수제비を食べたあと、감자전(6,000원)を食べた。감자전というのは、じゃが芋のお焼きのようなものだ。「감자」は「じゃが芋」、「전」は「チジミ」だ。最近日本では、「チヂミ」と書いているようだけれど、このカタカナの書き方は、変だ。こういう書き方を野放しにしておくのは、好ましいこととは思えない。

この감자전は、じゃが芋の香りと、澱粉による弾力性のある歯ごたえが美味しい。

この店の他のメニューは、찹쌀수제비(7,000원)、파전(10,000원)、녹두전(10,000원)、쭈꾸미볶음(12,000원)、동동주(반되: 3,000원)。語釈をするなら、찹쌀は餅米、파は葱、녹두は学名が Phaseolus radiatus で該当する日本語はリョクトウ(緑豆)、쭈꾸미は学名が Octopus ocellatus で該当する日本語はイイダコ(飯蛸)、볶음は炒め物、동동주は米粒の浮いたどぶろく、반は半分、되は1升(=約1.8ℓ)。

ところで、この店の名前にある삼청についてだけれど、これはこの地域が삼청동(三清洞)であることから付けられた名前だ。삼청(三清)というのは、「산이 맑은 산청(山清), 물이 맑은 수청(水清), 사람의 마음이 맑은 인청(人清)」から名付けられているとのこと。삼청동は、경복궁(慶福宮)と창덕궁(昌德宮)に挟まれた북촌(北村)と呼ばれる区域の北部にあり、半分は山の中だ。북촌というのは、朝鮮時代のころ、支配階級の人々が住んでいた所だ。

삼청수제비の所在地は、서울시 종로구 삼청동 102。電話番号は 02-735-2965。通りのはす向かいに専用の駐車場もある。
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by ijustat | 2009-10-02 18:18 | Restaurants

모래내설렁탕

ずいぶん前からある店で、24時間営業の설렁탕屋だ。10年以上前からこの店には時々来ている。

c0019613_233831.jpg今日は、家族と一緒に来た。妻が具合が悪いので、栄養をつけるために설렁탕を食べたいと言った。最初は、연희동にある연희설렁탕へ行こうと思った。ところが、行ってみると、なんと국수생각に変わっていた。これは驚きだ。そこで、急遽모래내설렁탕に来たというわけだ。

左上の写真は、出てきた설렁탕(보통: 7,000원)に葱を入れたところだ。この店の설렁탕は中に素麺とご飯が入っている。本当は、葱を入れた後、匙で混ぜ合わせたところを写真に撮るべきだった。そうすれば、下に沈んでいたご飯や素麺、肉などが美味しそうに現れただろうから。

c0019613_2364678.jpg店員が持ってくる설렁탕は、こんな風に白いだけのスープだ。そこに、好みの量の葱を入れ、塩と胡椒を振って味を調節する。その点は、どの店の설렁탕も大体同じだけれど、中に素麺を入れるか入れないか、ご飯を麺の中に入れるか別に出すかという違いがある。

素麺とご飯の両方が入っている店はあまり見かけないけれど、この店はそれをやっている。私は、スープにご飯を入れた국밥というものが好きではない。でも、この店の설렁탕はそれほど気にならない。それは、ご飯がスープを吸っても膨れ上がらない程度に、控えめに入っているから。

c0019613_23111455.jpgそれから、설렁탕屋の三種の神器は、この배추김치(白菜キムチ)と깍두기(大根のキムチ)と파(葱)だ。배추김치と깍두기は、トングを使って食べる分だけ取り出し、手ごろな大きさに鋏で切って皿に盛る。

ところで、店名の모래내だけれど、これはこの店の前を流れる홍제천(弘濟川)のことで、朝鮮時代の地図には사천(沙川)と出ている。「사(沙=砂)」の固有語は「모래」、「천(川=小川)」は「내」だから、사천と모래내は同じ意味だ。この모래내はインターネットでの誤表記が多く、모레내(あさっての小川)、모래네(砂さんち)、모레네(あさってさんち)のように書いている人がけっこういる。これは、母音 /에/ と /애/ の区別が実質上機能しなくなっていることを物語っているといえるだろう。

それから、설렁탕を설농탕(雪濃湯)とも書く。「雪濃湯」というのはどうやら当て字で、설렁탕の方が標準語となっているけれど、たいていの専門店では、店の名前とメニューのどちらかに설렁탕を使い、もう片方のどちらかに설농탕を使うことが多い。この店は、看板は설렁탕で、メニューには설농탕を使っている。

모래내설렁탕の所在地は、서울시 서대묵구 홍은3동 415-49, 50。電話番号は、02-304-0311。
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by ijustat | 2009-09-28 23:25 | Restaurants

백년옥(百年屋)

豆腐料理専門店で、예술의전당(芸術の殿堂)の向かいにある。いつこの店を知ったのか、どうしても思い出せなかったので妻に聞くと、教会の知り合いから教えてもらったのが最初だという。

今回は、안성にある教会墓地へ、牧師だった義父の墓参りに行ってきた帰りに、久しぶりに寄った。最初、駐車場の案内人が「별관에 가세요.」というので、「별관은 좀…」と渋っていたら、妻が大声できっぱり「별관은 싫어요!」と断言した。すると案内人は「그럼, 가서 카운터에서 말씀하신 다음에 순서를 기다리세요.」と答えた。それで、본관(本館)へ行き、人数を言うと、待たずにすぐ席を案内された。ラッキー。

c0019613_20305373.jpg私は、この店では뚝베기맛순두부(7,000원)をよく食べる。今回食べたのもそれで、写真の料理がその뚝베기맛순두부だ。これは、바지락(あさり)で味を出している点は、普通の순두부찌개と大体同じだけれど、생두부(生豆腐)を使っている点と、玉子を入れないという点が、普通と少し異なる。생두부はとても新鮮で、ほのかな旨みがある。

色のわりにはそれほど辛くなく(もちろん、辛さの基準は人によりけりなので、責任は持てませんが)、さっぱりした味だ。玉子を入れないので、わりとあっさりしている。

c0019613_2037418.jpgこの店のもう一つの目玉は、밑반찬(おかず)だ。数は少ないけれど、これが結構いける。私は店に入る前から、この店の밑반찬のことを考えていた。

以前は콩나물무침と미역냉채と배추김치の3種類だけだったけれど、今回무냉채が加わっていた。この무냉채は、驚くほどさっぱりとした味で、とても美味しかった。酢と調味料で味をつけ、おろし生姜で香り付けされていた。

この밑반찬は、頼めばお代わりを出してくれる。もっとも、それは韓国では特筆すべきことではないけれど、日本に住んでいると、案外そういうことを知らない人もいるかもしれない。

c0019613_20434469.jpg他に何か食べたいということだったので、두부부침(소짜: 5,000원)を頼んだ。これは本当に美味しかった。豆腐独自のうまみと、油で焼いた香ばしさとが調和している。そして、醤油のタレにつけると、その美味しさがいっそう引き立つ。

最初は肉が食べたいのにと言って怒っていた次男も、두부부침には十分満足したようだった。そうさ、肉がなければ美味しくないということはないのだ。妻は、久しぶりに精進料理を食べたようだと言っていた。でももちろん、순두부찌개には貝が入っている。

c0019613_20512924.jpgこの店のメニューは、右の写真のように、癖の強い字で書かれている。この字体はこの店の料理の雰囲気にぴったりなのだけれど、ハングルに慣れていない人は、難儀するかもしれない。でも、心配する必要はない。ちゃんと明朝体で印刷されたメニューも別にあるから、ハングルの実力が初歩でも、メニューを見て注文することはできる。もっとも、こういった文字は時々見かけるから、読めるようになっておくに越したことはない。

日本の韓国語教材を見ると、明朝体かボールド体で書かれているものばかりだけれど、手書き文字にも慣れておく必要がある。韓国語は特に組織立った筆記体はないから、慣れればすぐに読めるようになるはずだ。

백년옥(百年屋)の所在地は、서울시 서초구 서초동 1450-6 본관。예술의전당の真向かいだ。電話番号は、02-523-2860。
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by ijustat | 2009-09-26 21:01 | Restaurants

향원(香苑)

연남동にある中華料理店だ。私はこの店の前を千回以上車で通り過ぎたけれど、自分から入ったのは、一昨日が最初だった。

c0019613_22453027.jpgでも、この店に入ったのは、今回が初めてではない。たしか12年ぐらい前、当時연세대학교の語学堂で日本語講師をしていたとき、石鹸会社の重役だった学生に招待されて、この店で一緒に食事をした。そのとき、コースの中に含まれていた누룽지탕を初めて食べ、その美味しさに驚いた。

しかし、その時の店の印象は、あまりよくなかった。なぜなら、私はその人と2人で食事をしたのだけれど、4人だか6人以上でないと、同じ値段でもまともなサービスを受けらなかったからだ。私を招待してくれた人は、そんな店の態度に憤慨した。そのとき私は、누룽지탕の美味しさに感動しながらも、ちょっと気難しくて敷居の高い店といった感じを受けた。京都の“一見様お断り”といった風情に感じたのだ。

その後、私は職場を2度変えながら、この店の前を何度往来したか分からない。そのたびに、私は누룽지탕の美味しさを思い出しながらも、敷居の高い店の雰囲気のせいで、いつも足を踏み入れる気までは起こらず、看板を眺めながら通り過ぎるばかりだった。

c0019613_2259226.jpgしかし一昨日、思い切って入ってみた。最近は、新しい食べ物屋を開拓しようと努めているので、ちょっとした冒険もしたかったし、ほんの少しばかり余裕もできたこともあって、店に入ってお金が足りずに恥をかくこともないだろうと思った。それに、中華料理屋はどこも、高い料理はすごく高いけれど、安い料理はかなり安価というように、価格の幅が大きいから、この店もきっとそうだろうと考えた。

店の前に車を止めると、駐車場を案内する人が店から出てきて、慇懃な態度で、車を止めるのを手伝ってくれた。50代ぐらいの年配の男性だ。それだけで私は緊張する。そして、店の扉を開けるとき、ちょっと高級な感じだったので、さらに緊張した。店に入ると、背広を着たお金持ちそうな老人が、上品にお辞儀をした。やっぱり場違いだったかな、と心配になった。

恐る恐る「식사도 돼요?」と聞くと、「돼요.」というので、安心した。「식사」というのは“食事”のことだけれど、飯類と麺類の、主食系のメニューをいう。볶음밥が食べたかったので、見ると7,000원だった。

볶음밥の味は、딘타이펑(鼎泰豊)ほどではなかったけれど、それでもけっこう美味しかった。それで、この店はいけると思った。(ただし、玉子スープはあまり美味しくなかった。)店の女主人とも話をした。누룽지탕は25,000원だという。思ったほど高くない。まあ、特別なことでもないと、ちょっと気が引ける値段だけれど。

c0019613_2354859.jpg今日は、방통대の最後の録画が終わった。そのあと、妻を学校まで迎えに行くと、妻がお昼を食べていないのでお腹が空いているという。それはちょうどいいと思い、향원に行くことにした。そして、念願の누룽지탕を注文した。メニューの名は「삼선누릉지탕」。漢字では「三鮮鍋巴(Sānxiān Guōbā)」と書く。

注文すると、店の人が、油で揚げた米の塊と、八宝菜のような汁を別々に持ってきた。そして、私たちの見る前で、米の塊に汁をかけると、ジューという音がして、いい香りが漂った。それが、いちばん上の写真だ。残念ながら、上手に撮れなかった。

それを、個人の器に盛ってくれる。それが、この3番目の写真だ。椎茸や青梗菜の他に、海鼠、鮑、蝦などが入っている。妻は蝦が新鮮だといって喜んでいた。

누룽지탕だけでも十分満腹になると言われたけれど、私たちは満腹にならなかった。それで、자장면を1人分(5,000원)取って、妻と一緒に分けて食べた。麺が固めで美味しかった。자장면の麺はたいてい柔らかくて腰がないけれど、この店の자장면は麺が硬めで歯ごたえがいい。

향원(香苑)の住所は、韓國首爾麻浦區延南洞226-36。電話番号は、02-335-0010, 336-3421。首爾(Shŏu'ěr)とは、最近韓国で作ったソウルの中国語読みだ。北京語の発音で、ショウアルのようになり、ソウルと発音が近い。何だか夷狄の都みたいで、私は好きではないけれど、韓国で発表した次の年あたりから、中国ではしぶしぶこの名前を使っている。
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by ijustat | 2009-09-23 23:23 | Restaurants